忍者ブログ
更新・日記ブログ
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
[1131]  [1130]  [1129]  [1128]  [1127]  [1126]  [1125]  [1124]  [1123]  [1122]  [1121
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

意中の人(?)にベッタリな獅子座の黄金聖衣と白鳥座の青銅聖衣はそれなりに、この状況を楽しんでいる。
そして威圧的な山羊座の聖衣も、沙織から離れない。
では、他の聖衣達はどうしているのかというと……。

「困惑されているようです」
ユリティースの説明に、シャイナとジュネはさもありなんという表情をした。
天秤座の聖衣の困惑がどういうものなのか不明だが、他人に対して意思の疎通が急に可能になると、今度は何を言っていいのか分からなくなってしまったらしい。
何しろ聖衣達にとって意思表示というのは想定外の出来事なのだから。
すると沙織が立ち上がりエスメラルダを呼ぶ。
「この際ですから、双子座の聖衣と話をしてみましょう」
何がこの際なのか。
先の聖域での混乱を少しでも知っている者たちは、何が起こるのかと非常に緊張した。

「これがサガの黄金聖衣です」
沙織の説明に、エスメラルダを膝をついてしゃがんだ。
「双子座の聖衣、彼女はここにいます。彼女を巻き込まないように、細心の注意を払いなさい。今度は間違えないように」
そして沙織はさっさとお茶会の席に戻ってしまう。
意味不明な女神の言葉に、エスメラルダは何のことかと戸惑った。
しかし、すぐに神話時代の悲劇を思い出す。
初代の双子座の黄金聖闘士は、二人の妹を聖域で失っている。自分はその妹の代わりなのだ。
「あの……、よろしくお願いします」
このとき、双子座のマスク部分の中心が淡く光った。
波のある光の粒子に彼女はどうしたらいいのか迷ったが、何か喋っているかのような気がしたので思い切って手を添えてみた。

脳裏に響くは「待っていた」という言葉。

神話の時代、大国スパルタの二人の王女と双子座の聖衣は面識があったのだ。
そして聖衣は王女たちと約束をする。
「ずっと、お兄様と一緒にいてね」
それは聖衣にとって、とても大切なものとなった。なぜなら、その直後に二人はいなくなってしまうから。
もう一度二人に会って、約束を守っている自分を見てもらう。
その為ならば女神ニケに何度注意されようとも、女神アテナに迷惑をかけようとも、絶対に双子座の聖闘士になるべき人物の条件を変えるわけにはいかない。

「私も、サガお兄様とカノン兄さまに出会えて嬉しいです」

エスメラルダの言葉に、マスクが少しだけ前屈みになる。
まるで自分の泣き顔を見られなくない人がいるかのような仕草だった。
PR
Comment
name 
title 
color 
mail 
URL
comment 
pass    Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメントの修正にはpasswordが必要です。任意の英数字を入力して下さい。
管理人のみ閲覧可   
Template by Crow's nest 忍者ブログ [PR]