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「女神がいったい何をされているのか、知っているのなら教えてほしい」
教皇シオン直々の頼みにユリティースはどう説明しようかと少し考えた。
説明することは出来るが、場合によっては教皇たちの心労を増やしかねない。
しかし、沙織から口止めをされているわけではないので、彼女は新月の晩に見た夢を説明した。

「アテナ様はモイラ様たちの糸玉を手にしてしまったのです」

それは不測の事態だった。
だが、戦神であり機織りなどの技術を司る女神アテナの足元に運命の力を持つ糸玉が転がって来るなど、何か作為的なものを感じないわけではない。
「糸玉をそのまま放置すれば、何も生まれず動かずで糸は痛み朽ちてゆきます。しかし、機織りの女神がそのようなことをすれば人の信仰を失います」
そこで沙織は一つの作品を作って、その糸玉を使い切ることにしたのである。
これにはモイラたちも良い案だという意味で頷いた。
ただ、何を作るのかという段階で女神アパテーと女神ピロテースがいきなり現れたのである。
「そこで物語を紡ぐということでアテナ様は押し切られたのです」

沙織が押し切られるという事態にシオンは驚いたが、糸玉はモイラたちの影響下にあるもの。
向こうが主導権を握っているのなら、拒否するのは難しい。
「それで、映画づくりになったのか……」
「はい」
しかも、ユリティースやほかの少女たちも夢の断片を体験した。
それは少女たちが武装して変身するという内容。
「こんなの見てみたいねぇ~」という二柱の女神たちのお気楽な思いで示された話。
夢の神の嫌がらせかもしれないが、極めつけは偉大なる夜の女神ニュクスが楽しそうに微笑むのである。

これを覆すのには、全てを壊す覚悟をしなくてはならない。

「そのような破壊活動よりも、ちゃんとした映画を作った方が良いとアテナ様は判断されたのです」
女神ニュクスはオリュンポス神族の後見役をしている女神である。
彼女の存在があるから他の神族が抑えられているのだ。
確かに女神ニュクスの期待を裏切るのは、世界を壊すことに等しいかもしれない。
裏切ったところで夜の女神が怒ることはないのだが……。

「事情はわかった」
今回は聖闘士が力でどうにか出来る問題ではない。
ただ、命令が下るのを待つしかない。
しかし、女神アテナが聖闘士達を信頼して関わらせてくれるのだろうか。
シオンにはそちらの方が不安だった。
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