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風が吹き、焚き火の炎が揺れる。
魔の気配が急に濃くなった。

「囲まれたか」
アイアコスが立ち上がる。
今まで単発的に魔物が現れたのとは違う気配。
いくつもの目がこちらを見ていた。
聖闘士たちに緊張が走ったとき、急に空気が冷たくなった。

そして周辺に氷の柱が立つ。

「奇妙なことになっているようだな」
聖域の方からやって来たのは、水瓶座のカミュ。
その後ろには牡羊座のムウもいた。
「貴鬼、何があったのですか?」
ムウが自分の弟子に尋ねる。

この二人、白羊宮に料理がなくなったので、バーベキュー会場なら何かあるかと思い来たという。
ちなみにシオンと童虎は酔いつぶれたらしい。
あまりの理由にアルデバランたち聖闘士もアイアコスも、どっと疲れを感じたのだった。
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「アイオロス……。おまえは何を知っているんだ」
カノンの問いに、アイオロスは一瞬言葉を失う。
今回は関係ないが、それとなく予言のことについて言うべきか。
それとも賢者ケイロンから話し始めるべきかと逡巡したとき、サガか溜息をついた。

「カノン、アイオロスは思い込んでいる事を口にしているだけだ」

その場に沈黙が流れる。
サガは言葉を続けた。
「昔からアイオロスは野生のカンだといって、思い込んだことを確かめもせずに正解だと思ってしまう。まぁ、ハズレではないこともあったが、だからといって全てを信じるのは危険だ。こいつの思考に確認を取るという次の段階は無い」
ヒドイ言われようだが、アイオロスに怒る気はない。
何しろサガは慎重な人間なのだ。
そう考えたらアイオロスは、自分が予言の力について悩んでいたことが急にバカらしくなってしまった。
大量の情報があれば推測できることを、わざわざ予言と言う必要はない。

「思い込みとはひどいなぁ」
アイオロスは笑いながら反論をする。
しかし、カノンはサガの説明に納得していた。
「たしかに人が化け物を制御出来るようになったと考えるよりは、化け物が人を利用していると思った方がいい」
カノンは足元の瓦礫を蹴った。
その破片には何かが描かれている。
「そのほうがこっちもやりやすい」
天井を見上げると、そこには異形の獣が張りついていた。
「惨状だな」
サガは眉をひそめた。
真新しい廃墟に人の気配はない。
ただ、鬼火のように青白い炎がいくつも現れていた。

目的の秘密結社は、とある地域の山奥に本拠地があった。
だが、今やそこは瓦礫と化していた。
「何があったんだ?」
カノンも周囲を見て回るが、人の気配がない。
ただ、危険な気配だけは濃厚に感じる。
「多分、制御できないものを呼び出したんだろう」
アイオロスが瓦礫の上を歩く。
「どういうことだ?」
サガの問いに射手座の黄金聖闘士は遠くを見ながら答えた。
「向こうに操られて、こっちの人間が道を作ったということだ」

実力のない人間が異形の者を呼び出せたときは、たいてい異形側が人間を利用したと思っていい。
その説明にカノンは腕を組む。何となくアイオロスを怪しんでいる風でもあった。
闇が不穏な気配を漂わせる。
とにかく女官や少女たちを一まとめにして、聖闘士たちは臨戦態勢を取った。
アイアコスもさすがに真面目な顔で闇を見つめる。

そして現れたのは半人半獣の化け物。
バーベキュー会場の近くにある森から出てきた。

か弱い女性陣は悲鳴を上げるが、聖闘士達は何となく奇妙な印象があった。
「こん棒を持ったミノタウロス? 斧じゃないのか?」
「なんだかトナカイみたいな角ですね」
「……本当にミノタウロスか? 何か変だぞ」
などなど。

アイアコスに至っては、「ゴードンがアレを見たら、ブチ切れるだろうなぁ」と呆れている。
「まぁ、とにかく被害が出る前に倒しておこう」
真面目なアルデバランの一言に、紫龍が前に出る。
「ミノタウロスの偽物などに、ここを荒らさせはしない」

そして勝負は紫龍のエクスカリバーの一撃で、簡単に決着がついた。
後に残ったのは、灰色の綿雲のようなもの。
それもしばらくして周囲に溶け込むように霧散する。

「夜が明けるまで、何体来ることやら」
冥界からの客人は、不吉なことを言いながら手にしていた酒を一口飲んだのだった。
「小説家になろう」のサイトに設置しているWEB拍手に、
○年ぶりにコメントをいただけました。
他のところからコメントをいただくことはあるのですが、
ここからだけはほとんど貰ったことが無いというルートです。
恥ずかしいくらいに舞い上がっているので、ひいた方がいらっしゃいましたら
今回は許してください。
そしてWEB拍手には返信を表示する機能がないので、
こちらに書き込ませていただきます。

☆☆☆

> 読み応えのある量の...さん

ワクワクしてくださって、ありがとうございます。m(_ _)m
感想がいただけて、とても嬉しいです。
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