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「夜が明けたら一人いなくなっていた、というのは嫌だろう」
アイオロスはアイアコスを招待した理由をあっさりと告げた。
「たしかにそうだが……」
サガは眉をひそめながらも一応納得する。
夜の女神は基本的に中立だが、彼女の子供たちはどちらかというと冥闘士たちと接触が多い。
何かあったとき、聖域はどうしても冥闘士の力を借りなくてはならないのだ。
しかし、聖域側のみの言い分だけでは、冥闘士側が夜の女神の子らに接触はしないだろう。
向こうは大人しい性質の神々というわけではないのだから。
ならば、最初から巻き込んだ方が話は早いというわけである。
最良とは言いにくいのではあるが……。
「パンドラ様もユリティースやアンドロメダが窮地に陥っては可哀相だといっていたから、俺に白羽の矢が立った」
そう言って、アイアコスは用意された酒を口にした。
ただ、オルフェは何か疑わしそうな視線を向ける。
「では何故、ガルーダの冥衣も持ってきたのですか!」
その身に纏えば高い攻撃力で人々を傷つける事が出来るのだ。
アイアコス自身を信じるには、その能力は大きすぎる。
しかし、彼はあっさりと答えた。
「本物であれ呪術系であれ、ガルーダは蛇を見逃すことは無い。ユリティースや他の娘たちを蛇の被害に遭わせるのは避けたいだろ」
先程ガルーダは本物ではない蛇を退治している。その発見力は聖闘士たちよりも高い。
最愛の恋人にとって良いことならばと、オルフェもまたあっさりと納得をする。
するとアイアコスは言葉を続けた。
「一応、ガルーダには簡易的だが封印がしてある。娘たちを傷つけることはしない」
その視線の先にある冥衣を、黄金聖闘士達は苦笑いしながら見たのだった。
「ガルーダさん、お久しぶりです」
ユリティースの言葉にガルーダの冥衣は少しだけヘッドパーツを動かした。
すると角に飾られているリボンがゆっくりと動いた。
実はこのリボンは、ガルーダの冥衣がパンドラから、
『おめかしをしたほうがいい』
と言われて、手づから結んでもらったものなのだ。
それをメチャメチャにしてしまい、ガルーダの冥衣は何となくしょげている。
「リボンが汚れたのは私たちを守るためですと、私もパンドラ様に手紙を書きます。ですからそんなに落ち込まないで下さい」
彼女は優しくリボンを結び直す。
ガルーダの冥衣は羽を少しだけ動かしたのだった。
アイオロスはアイアコスを招待した理由をあっさりと告げた。
「たしかにそうだが……」
サガは眉をひそめながらも一応納得する。
夜の女神は基本的に中立だが、彼女の子供たちはどちらかというと冥闘士たちと接触が多い。
何かあったとき、聖域はどうしても冥闘士の力を借りなくてはならないのだ。
しかし、聖域側のみの言い分だけでは、冥闘士側が夜の女神の子らに接触はしないだろう。
向こうは大人しい性質の神々というわけではないのだから。
ならば、最初から巻き込んだ方が話は早いというわけである。
最良とは言いにくいのではあるが……。
「パンドラ様もユリティースやアンドロメダが窮地に陥っては可哀相だといっていたから、俺に白羽の矢が立った」
そう言って、アイアコスは用意された酒を口にした。
ただ、オルフェは何か疑わしそうな視線を向ける。
「では何故、ガルーダの冥衣も持ってきたのですか!」
その身に纏えば高い攻撃力で人々を傷つける事が出来るのだ。
アイアコス自身を信じるには、その能力は大きすぎる。
しかし、彼はあっさりと答えた。
「本物であれ呪術系であれ、ガルーダは蛇を見逃すことは無い。ユリティースや他の娘たちを蛇の被害に遭わせるのは避けたいだろ」
先程ガルーダは本物ではない蛇を退治している。その発見力は聖闘士たちよりも高い。
最愛の恋人にとって良いことならばと、オルフェもまたあっさりと納得をする。
するとアイアコスは言葉を続けた。
「一応、ガルーダには簡易的だが封印がしてある。娘たちを傷つけることはしない」
その視線の先にある冥衣を、黄金聖闘士達は苦笑いしながら見たのだった。
「ガルーダさん、お久しぶりです」
ユリティースの言葉にガルーダの冥衣は少しだけヘッドパーツを動かした。
すると角に飾られているリボンがゆっくりと動いた。
実はこのリボンは、ガルーダの冥衣がパンドラから、
『おめかしをしたほうがいい』
と言われて、手づから結んでもらったものなのだ。
それをメチャメチャにしてしまい、ガルーダの冥衣は何となくしょげている。
「リボンが汚れたのは私たちを守るためですと、私もパンドラ様に手紙を書きます。ですからそんなに落ち込まないで下さい」
彼女は優しくリボンを結び直す。
ガルーダの冥衣は羽を少しだけ動かしたのだった。
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暗闇の中で影が蠢く。
地を這うように、紐のような影が……。
音もなく気配を消していたそれは、静かに少女たちの方へ近づこうとしていた。
シュルッ……。
草が動いた瞬間、『それ』は得たいの知れない物に襲われる。
「なんだ!」
「いったい何が起きたんだ!!」
暗闇の中での騒ぎに、聖闘士たちは警戒を露にした。
彼らは女官たちを火のそばへ連れて行く。
そんな中で、一人だけ笑みを見せていた者がいた。
「ようやっと来てくれたか」
アイオロスである。
そして暗闇の中で格闘していたのは、ガルーダの冥衣。
その口には何故か蛇の形をしたものがくわえられている。
ただし、本物の蛇ではないことも分かった。
少し離れたところにいるのは冥界三巨頭のひとり、天雄星のアイアコスだった。
「変な呪術が発動している」
彼の言葉に他の聖闘士達はわけが分からなかった。
地を這うように、紐のような影が……。
音もなく気配を消していたそれは、静かに少女たちの方へ近づこうとしていた。
シュルッ……。
草が動いた瞬間、『それ』は得たいの知れない物に襲われる。
「なんだ!」
「いったい何が起きたんだ!!」
暗闇の中での騒ぎに、聖闘士たちは警戒を露にした。
彼らは女官たちを火のそばへ連れて行く。
そんな中で、一人だけ笑みを見せていた者がいた。
「ようやっと来てくれたか」
アイオロスである。
そして暗闇の中で格闘していたのは、ガルーダの冥衣。
その口には何故か蛇の形をしたものがくわえられている。
ただし、本物の蛇ではないことも分かった。
少し離れたところにいるのは冥界三巨頭のひとり、天雄星のアイアコスだった。
「変な呪術が発動している」
彼の言葉に他の聖闘士達はわけが分からなかった。
何故、暗い森の中に居たのか。
しかも、聖域の近くである。
老婦人の言うことには、とある村へ行く途中、森でお供の者とはぐれてしまったとのこと。
しかし、聖闘士側の警戒を知ってか知らでか、老婦人は何か嬉しそうだった。
「こんなにも綺麗なお嫁さんを頂けるとは、神に感謝いたします」
その視線の先にいるのはジュネ。
たしかにある意味花嫁モードである。
思いっきり目的地だと勘違いしていた。
瞬は慌ててジュネを庇うように立ち、
「違います! 彼女は僕のものです」
と、主張する。
ジュネは赤くなりながら、恋人の方を見たのだった。
しかも、聖域の近くである。
老婦人の言うことには、とある村へ行く途中、森でお供の者とはぐれてしまったとのこと。
しかし、聖闘士側の警戒を知ってか知らでか、老婦人は何か嬉しそうだった。
「こんなにも綺麗なお嫁さんを頂けるとは、神に感謝いたします」
その視線の先にいるのはジュネ。
たしかにある意味花嫁モードである。
思いっきり目的地だと勘違いしていた。
瞬は慌ててジュネを庇うように立ち、
「違います! 彼女は僕のものです」
と、主張する。
ジュネは赤くなりながら、恋人の方を見たのだった。
異質なものの気配。
オルフェは暗闇を見つめる。
ユリティースを求めて冥界へ降りた経験は、彼に闇の中で蠢く気配を察する能力を敏感にした。
何かが起ころうとしている。
彼はアイオロスを呼ぶ。
「何か起こったみたいだな」
アイオロスの言葉に、サガとカノンも動く。
他の聖闘士たちも異常事態が発生したことに気付いた。
「まだ、はっきりとしてはいませんが油断はしない方がいいと思います」
人が闇に潜む者をみるには、一度は光の下にさらさなければならないのだから。
しかし、今は夜である。
簡単に出来ることではない。
「まずは星矢に行かせよう」
話を聞いた魔鈴が弟子である星矢を呼ぶ。
「何かあったのか? 魔鈴さん」
「これから起こるかもしれないということだ」
「?」
「行ってこい」
問答無用な師匠の言葉だが、星矢は特に気にすることなく魔鈴が指さした方向へ走り出した。
十数秒後、森の方で人の声がしたかと思うと、星矢が一人の老婦人を背負って戻ってきた。
その服装から見て、“どうみても聖域関係者に思えるが時代が違うような気がする”と彼らは思った。
オルフェは暗闇を見つめる。
ユリティースを求めて冥界へ降りた経験は、彼に闇の中で蠢く気配を察する能力を敏感にした。
何かが起ころうとしている。
彼はアイオロスを呼ぶ。
「何か起こったみたいだな」
アイオロスの言葉に、サガとカノンも動く。
他の聖闘士たちも異常事態が発生したことに気付いた。
「まだ、はっきりとしてはいませんが油断はしない方がいいと思います」
人が闇に潜む者をみるには、一度は光の下にさらさなければならないのだから。
しかし、今は夜である。
簡単に出来ることではない。
「まずは星矢に行かせよう」
話を聞いた魔鈴が弟子である星矢を呼ぶ。
「何かあったのか? 魔鈴さん」
「これから起こるかもしれないということだ」
「?」
「行ってこい」
問答無用な師匠の言葉だが、星矢は特に気にすることなく魔鈴が指さした方向へ走り出した。
十数秒後、森の方で人の声がしたかと思うと、星矢が一人の老婦人を背負って戻ってきた。
その服装から見て、“どうみても聖域関係者に思えるが時代が違うような気がする”と彼らは思った。