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一輝と瞬が連れてこられたのは、聖域に客などがきた時に使用する部屋だった。
部屋には一応、簡易ベッドがあって毛布も用意されている。
何もないとしか言い様の無い場所で暮らした身としては、破格の対応にも思えた。

一輝は何も言わずに毛布を一枚取ると、それを肩にかけてドアの傍に座り込む。
「兄さん……」
瞬は兄の行動を見て、胸が痛くなった。
侵入者に対応できるように行動しているということは、兄は聖域という場所を警戒しているということである。
そして兄をそのようにしてしまったのは自分なのだ。

彼は同じように毛布を肩からかけると、一輝の隣に座った。

「兄さん……」
「……何だ」
一輝は仮眠を取るかように目をつぶる。
瞬は膝を抱え、顔を埋めた。
「兄さんは僕が弟で……」
嫌ではなかったかと思い切って聞きたい。
だが、どうしても言葉にできない。
二人の間に沈黙が訪れる。

しばらくして瞬は自分の髪をクシャクシャにしながら撫でる力強い手に気付く。
「良いに決まっているだろ」
その言葉に彼は涙が零れそうになった。
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