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「さて、こっちでも肉を焼くぞ!」
アイオロスが嬉々として鉄板に牛肉を乗せる。
サガとカノンは渋い顔でそれを見ていた。
「……随分、大所帯のわりに雑兵たちは居ないみたいだな」
サガは会場の様子を見て、少し不思議な気がした。
本来、聖域の警備は雑兵たちが行っている。
女官たちがこのようなバーベキューを野外で行うというのなら、数人の雑兵が警護を兼ねて参加しているはずだった。
ただ、アルデバランが居る以上、彼女らの安全は確保されているし、星矢たち青銅聖闘士も複数いるので雑兵はいなくても構わないのだが……。
すると、アイオロスが肉の焼け具合を見ながら答えた。
「今回は特別な方も参加しているかもしれないから、雑兵たちには遠慮してもらった」
彼はそう言ってエスメラルダのほうを軽く指さすと、再び肉の方に集中する。
「まさか……特別な方とは……」
サガはその存在に思い当たる。
「女神ニュクスに連なる者か……」
カノンも驚きの声を上げた。
しかし、アイオロスは動きを変えずに、淡々と肉を二人に振り分けた。
「女官たちの一部に、そういう予兆みたいなものがあったらしい。それなら大混乱を引き起こされる前に、一度は彼女を夜の空間へ連れて来た方がいいだろう」
ちなみにサガやカノンの方に女官たちから連絡がなかったのは、確証が無かったから。
今回のバーベキューも建前は、野外での食事の作り方を色々と教えるということになっていた。
「結局、向こうが存在を明らかにしてくれない限り、こっちでは本当に来ているのか分からないからなぁ」
だから、エスメラルダの保護者であるサガには、女官たちもどう言っていいのか迷ったのである。
「では、何故、アイオロスは知っているのだ?」
サガの目が据わる。
自分の知らないところでエスメラルダに関する話が持ち上がっているというのは、非常に面白くない。
そして彼としては、アイオロスから教えられるというのは、けっこう微妙な気持ちになるのだ。
とにかく有り難いというよりも、「これから騒ぎが起きそう」な気がするのだ。
「そりゃぁ、こっちにも色々と情報網が……」
「……」
サガの背後に不穏な小宇宙が立ち上る。
カノンもまたアイオロスを睨んでいた。
「小さいころのアイオリアは可愛らしくて、油断をしていると……」
「もう、その話は聞き飽きた」
昔、実弟が誰かに連れ去られるのではないかと思い込んでいたアイオロスは、それこそ色々な方面に情報網を構築していたらしい。
当時は幼い弟を守るための努力が過剰な気がしたが、今思うとその情報網があったからこそポリュデウケースの魔の手から女神アテナを救い出せたのかもしれない。
では、自分もそういう姿勢でいた方がエスメラルダを守れるのか?
ただ、守ろうとするあまりエスカレートして、彼女をフェニックスの聖闘士からも引き離しては意味がない。
このバランス感覚は、サガにとって少しやっかいな問題だった。
(そういえば、アイオロスは結構エスカレートした対応をしてはいなかったか?)
黄金聖闘士の行動ゆえ、聖域内部に彼の行動を押さえられた人間は少ない。
そしてアイオロスの行動は素早いが、大雑把なところがある。
だから彼は尋ねた。
「アイオロス。今回は何もしないでいるだろうな」
「……えっ?」
わざとらしいトボケ方に、サガはますます嫌な予感がした。
アイオロスが嬉々として鉄板に牛肉を乗せる。
サガとカノンは渋い顔でそれを見ていた。
「……随分、大所帯のわりに雑兵たちは居ないみたいだな」
サガは会場の様子を見て、少し不思議な気がした。
本来、聖域の警備は雑兵たちが行っている。
女官たちがこのようなバーベキューを野外で行うというのなら、数人の雑兵が警護を兼ねて参加しているはずだった。
ただ、アルデバランが居る以上、彼女らの安全は確保されているし、星矢たち青銅聖闘士も複数いるので雑兵はいなくても構わないのだが……。
すると、アイオロスが肉の焼け具合を見ながら答えた。
「今回は特別な方も参加しているかもしれないから、雑兵たちには遠慮してもらった」
彼はそう言ってエスメラルダのほうを軽く指さすと、再び肉の方に集中する。
「まさか……特別な方とは……」
サガはその存在に思い当たる。
「女神ニュクスに連なる者か……」
カノンも驚きの声を上げた。
しかし、アイオロスは動きを変えずに、淡々と肉を二人に振り分けた。
「女官たちの一部に、そういう予兆みたいなものがあったらしい。それなら大混乱を引き起こされる前に、一度は彼女を夜の空間へ連れて来た方がいいだろう」
ちなみにサガやカノンの方に女官たちから連絡がなかったのは、確証が無かったから。
今回のバーベキューも建前は、野外での食事の作り方を色々と教えるということになっていた。
「結局、向こうが存在を明らかにしてくれない限り、こっちでは本当に来ているのか分からないからなぁ」
だから、エスメラルダの保護者であるサガには、女官たちもどう言っていいのか迷ったのである。
「では、何故、アイオロスは知っているのだ?」
サガの目が据わる。
自分の知らないところでエスメラルダに関する話が持ち上がっているというのは、非常に面白くない。
そして彼としては、アイオロスから教えられるというのは、けっこう微妙な気持ちになるのだ。
とにかく有り難いというよりも、「これから騒ぎが起きそう」な気がするのだ。
「そりゃぁ、こっちにも色々と情報網が……」
「……」
サガの背後に不穏な小宇宙が立ち上る。
カノンもまたアイオロスを睨んでいた。
「小さいころのアイオリアは可愛らしくて、油断をしていると……」
「もう、その話は聞き飽きた」
昔、実弟が誰かに連れ去られるのではないかと思い込んでいたアイオロスは、それこそ色々な方面に情報網を構築していたらしい。
当時は幼い弟を守るための努力が過剰な気がしたが、今思うとその情報網があったからこそポリュデウケースの魔の手から女神アテナを救い出せたのかもしれない。
では、自分もそういう姿勢でいた方がエスメラルダを守れるのか?
ただ、守ろうとするあまりエスカレートして、彼女をフェニックスの聖闘士からも引き離しては意味がない。
このバランス感覚は、サガにとって少しやっかいな問題だった。
(そういえば、アイオロスは結構エスカレートした対応をしてはいなかったか?)
黄金聖闘士の行動ゆえ、聖域内部に彼の行動を押さえられた人間は少ない。
そしてアイオロスの行動は素早いが、大雑把なところがある。
だから彼は尋ねた。
「アイオロス。今回は何もしないでいるだろうな」
「……えっ?」
わざとらしいトボケ方に、サガはますます嫌な予感がした。
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