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「お願いです。妹を連れて行かないでください」
少しおびえたようなエスメラルダの言葉に、ジュネもニンフたちも動きが止まった。
他の闘士たちも興味深げに様子を見ている。

「……妹?」
「ようやっと仲良くなれたんです。お願いします」
祈るように両手を合わせて、彼女はニンフたちに話しかける。
ジュネはニンフたちが戸惑っているのが分かった。
彼女はエスメラルダに話を合わせる。
「貴女たちの誘いは有り難いが、私は姉様の傍を離れるわけにはいかない」
彼女たちはジュネから手を離す。
そして何度もエスメラルダとジュネを交互に見ていいた。

「あれは何ですか」
瞬がユリティースに尋ねる。
目の前で行われていることの意味がわからないのだ。


「ジュネ!」
エスメラルダが彼女の腕を両手で抱えるようにすがり付く。
その姿は大切な姉妹を奪われまいとしているかのようだった。
「お願いします。妹を……連れて行かないでください」
ジュネはそのままニンフたちを見た。

「今回、エスメラルダさんが堂々と妹宣言をしましたから、向こうはジュネさんとエスメラルダさんが同じ一族の出と思うでしょう。そして彼女たちはエスメラルダさんとニュクス様が言葉を交わしているところを見ています」
瞬はあっという表情をした。
「……それか!」
さすがにニンフたちも、夜の女神の関係者を泣かせたくはないだろう。
それにエスメラルダは誤解されやすい言い方をしてはいるが、嘘は言ってはいない。
二人の恋人が実の兄弟なのだから、遠くない未来、二人は義理の姉妹になるのだ。
「何よりもニンフたちよりエスメラルダさんの方が儚げです。そんなひとから守護役の妹を奪おうなど、誰も味方しません」
困ったように笑うユリティースの後ろで、紫龍たちが納得をしていた。


「聖闘士様……」
当のニンフたちも、これ以上いてはエスメラルダを泣かせかねないと判断したらしく、「では、いつか遊びに来てくださいね」と言って光の中に姿を消す。

この瞬間、朝日がより強い光りで世界を照らす。
そして柔らかな風が木や草を揺らしていた。
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