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「もう一人の兄弟、アッサラコスについては特に言うべきことは無い」

アフロディーテはそう断言したが、カミュとしてはそれこそが重要ではないのかと考えてしまう。
何しろアッサラコスの孫であるアンキーセースは女神アフロディーテに愛されて彼女との間に息子が生まれるのだ。
そしてその息子こそ、トロイア戦争にて最後までトロイアを守り闘った英雄なのである。
神像パラディオンは彼の一族が守っていたのではなかろうか。
カミュは目の前にいる青年を見た。

(想像が過ぎるな)
これは仮説どころか、妄想の領域である。
本来、女神と呼ばれる存在が人との間に子を生すのは稀だが、そのようなものを証拠にする事は出来ない。
「どうした、カミュ」
厳しい目で問われて、カミュは薄く笑った。
「あいにくガニュメーデースと直接会話した事がないので、当時の事情は分からないとしか言い様がない。それに今まで会話が成立した事がないから、これから先も話をするのは無理だろう。向こうも私に話を聞いてほしいわけではなさそうだからな」
余計な詮索はしない。
暗にそう告げると、アフロディーテもまた仕方がないという表情をした。
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>2012-04-13 Gさん
こんな展開が背後にあったらいいなぁ~という気持ちで書きました。
乙女座はシャカが強烈なので、沙織さん以外どの神様・女神様も関わってくれなさそうな気がします
なんとなく(笑)

感想をありがとうございました~。
トロイアの初代王であるトロースには三人の息子と一人の娘がいた。
その中の一人、息子のガニュメーデースは美しい青年で、後にゼウスに攫われ天上界へと連れて行かれてしまう。

「残された兄弟のうちイーロスは、後にパラディオン像を発見しトロイアへ持ち帰った」
それはスパルタの王女ヘレネ誘拐(連れ去り?)に端を発するトロイア戦争にて、トロイアから奪わねば向こうが陥落することはないといわれた神像であった。
実際にこの像をギリシャ側に奪われたことで、トロイアはあっと言う間に敗北してしまったのである。
「もう一人の兄弟、アッサラコスについては特に言うべきことは無い」
「……」
「娘のクレオパトラーについても同じだ」
アフロディーテはカミュを見た。
「では、パラディオン像の入手とガニュメーデースの天上界行きに繋がりがあるといったらどうする?」
意外な展開に、カミュは驚く。
「どういうことだ?」

「だからイーロスがパラディオン像を入手したから、トロイアはその代償にガニュメーデースを天上界へ捧げたのか。それともガニュメーデースが奪われたから、兄弟であるイーロスがパラディオン像の力を望んだのか」

どちらにしても無関係だと思っていた事柄を繋げられ、別の意味が浮かび上がってきたのである。
カミュは腕を組んだ。
「薔薇の下で」とは「秘密に」という意味である。
 もともと古代のローマ人は天井に薔薇の花をつるして、その下で行われた話は秘密にしたという。
 今も場合によっては有効だろう。

 というか、その通りにしないと命の保証はしないということかもしれない。
(以上、カミュの心の声でした)

 双魚宮に作られている薔薇の花園では、夜だというのに色とりどりの薔薇が咲き誇っていた。
 カミュは小さな四阿にある椅子に座る。これらの花は双魚宮の主が命じれば一斉に毒を撒き散らす可能性があり、なかなか油断の出来ない存在だった。
 アフロディーテはグラスを二つテーブルに置くと、ワインを注ぐ。そして一つをカミュに勧めた。
「乾杯という気分ではないから、さっさと用件を済ませる」
 そう言ってアフロディーテは一気にグラスのワインを飲んだ。
「……」
「あれはカミュも予想していただろうが、ガニュメーデース本人だ。ただし、向こうは不老不死の精神体だから触れることは出来ない」
 この返事にカミュは意外とは思わなかったが、推測があっさりと肯定されたことには驚いてしまった。
「精神体だと……?」
「天上界でネクタルでも飲んだのだろう。退屈な時間を持て余すと、さっきのように聖域に来てはウロウロしている」
 カミュですら今回が初めてだというのに、何度も見たかのようなアフロディーテの言葉だった。
 しかし、ツッコミは入れにくい。水瓶座の黄金聖闘士は沈黙を守った。
疑問の総ツッコミページを作りました。
自分の妄想がどこまで横滑りするか、とても楽しみです。

☆☆☆
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