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一緒にいた老婦人が実は女神様だった。

このことに春麗とエスメラルダは驚き、困惑する。
「私……、全然気がつかなかった……」
沙織と一緒に行った「女神の宴」で会ったことがあるはずなのに、何も思い出さなかった。
春麗は失礼なことをしたのだと、真っ青になる。
しかし、ユリティースは大丈夫だと彼女を慰めた。
「向こうが正体を知られないようにしていたのですから、春麗さんが気に病むことは無いですよ」
相手はそれを楽しんでいたのですからと言われて、春麗は納得する。
しかし、エスメラルダの方は悲しげな表情になっていた。
「もしかしたら私、失礼なことをしちゃったかも……」
するとオルフェが笑いながらそんなことはないと否定。
「女神が気まぐれで怒ったりしたら、それこそ双子座様やシードラゴン様に相談すれば良いのです。
お二方とも貴女を妹分にするときに言いましたよね」
「……」
「自分たちを面倒事に関わらせる事と」
これはエスメラルダを安心させるだけではなく、聖域と海界の平和に必要なことだった。
この二人は問題処理能力が高すぎるため、平和な時ではむしろ自分を抑えすぎて無理をしてしまうのである。
美しい妹分を守るというのは、彼らにとって良いガス抜きになっていた。

しかしそうは言われても、彼女としては後見役の二人に迷惑をかけたくないと考えてしまう。
「でも、一輝やサガさんやカノン兄さまを困らせるようなことをしていたら……」
この発言に聖闘士達の視線がカノンに集中する。
一輝も何事かと海将軍に冷たい視線を向けた。
サガに至っては何か黒い小宇宙が立ち上っている。
「なんでお前がエスメラルダに“兄さま”と呼ばれているんだ!」
実兄の冷たい質問にカノンはあっさりと答えた。
「兄さまと呼ばないと返事をしないと言ってあるからだ」
堂々といわれて、アルデバランとカミュがサガを抑える羽目になった。
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「ユリティースは知っているよね」
オルフェの問いに彼女は頷く。
「はい。あの老婦人は女神キュベレー様。そして後からいらっしゃったのは女神ニュクス様です」
人に化けてここへ来た女神の真意が分からず、ユリティースも他に害がでない限りは沈黙を守ったということらしい。

そして超強力な権力を持つ女神たちが来たということで、誰もが星矢を見る。

星矢自身は「えっ、そんなにスゴイのか?」という感じで周囲を見回す。
そして瞬はジュネを連れて行かれなくて、ほっとしていた。
森の方から幾つもの灯が現れる。
何事かと闘士たちは警戒したが、そこから現れたのは星矢と黒衣の女性だった。

「時間切れのようです」
少女たちと話をしていた老婦人が立ち上がる。
「どちらに帰られるのですか?」
エスメラルダの言葉に老婦人はにっこりと笑う。
「我が家です。貴女たちを連れて帰りたいところですが、保護者の方たちに睨まれますね」
彼女はそういって黒衣の女性のところへ行く。
その遠ざかる姿が揺らめいたかと思うと、今度は若い女性へと変化した。

目の前で変身されて、女官たちから驚きの声があがる。
これは女神アテナ以外の女神を見るのが初めてなのだから仕方がない。
むしろ今夜の出来事は人間たちにとっては僥倖だろう。
彼女は迎えに来た女性に話しかける。
すると黒衣の女性がエスメラルダと春麗の前にやってきた。

「お二人とも、無事で何よりです」
そう言って微笑む女性は、朝の光とともに姿が薄くなる。
「聖域は安全なようですね」
この言葉と共に女性たちは姿を消し、森の灯も消えた。

そして黄金聖闘士たちは片膝を付き、礼を持って女性たちを見送る。
星矢たちも慌てて同じように礼をした。
名のある女神が聖域を褒めたのだ。
これは女神アテナに、真っ先に伝えたい喜びだった。
もうすぐ夜が明ける。
しかし、彼らは炎のイノシシが最後とは思えなかった。

不意に、カミュの作り上げた黒い彫像達から氷の砕ける音が聞こえてきた。
一般人のいる場所では絶対零度に近い環境を作り出すことは出来ない。
そのようなことをすれば味方の方に被害が出る。
そのため夜が明ければ気温が上がり氷が解けるのは予測できたが、しかし今の段階では早すぎた。
先程のイノシシはカノンがほとんど瞬殺したようなものなので、これは別の力が働いているということだろう。

「来たみたいだな」
アイアコスが立ち上がる。
彼は周囲を見回した。
森の方から人の手を持つ大蛇が現れる。少しだけ明るくなった世界に、それは禍々しい姿を晒していた。

「よく来たな。エキドナのでき損ない」

アイアコスは素早くガルーダの冥衣をまとう。
怪物も周辺の黒い彫像を吸い込んで身体を大きくする。

「全部を吸い取れば、もしかしたら俺を倒せるかもな」

意外な発言に瞬たちは驚いたが、アイアコス本人はどこか面白がっている。
そして勝負は一瞬にしてついた。
アイアコスが手を払った途端、その化け物が絶叫し、霧散し、ガルーダの冥衣に吸い込まれたのだ。

「冥府で裁きを受けろ、亡者ども」

そして東の空が白々と明ける。
その光を受けて、ガルーダの黒い翼が柔らかく輝いていた。
お待たせしました。
というか、怠けていて申し訳ありませんでした~( °O °;)
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