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「神殿へ行くのか? それなら勝手に通るがいい」
 そういってアフロディーテはその場を立ち去ろうとする。
 しかしカミュとしては、相手に逃げられるわけにはいかなかった。
「待て! さっきの光は何だ!!」
 明らかにアフロディーテは水瓶座の黄金聖衣から抜け出した光と対峙していた。  
 しかも、特に驚きも警戒もせずに。カミュはこのとき、水瓶座の神話を思い出した。

 水瓶座はもともと、トロイアの王子ガニュメーデースを模している。
 とても美しい少年で、その姿に夢中になった大神ゼウスが鷲に姿を変えて天上界へ連れていったとか、ゼウスの使いである大鷲が連れ去ったとか言われている。
 そして彼は天上界にて神々の飲み物であるネクタールを給仕する役目を持つようになった。

 カミュは沈黙しているアフロディーテにもう一度尋ねた。
「知っているのだろう。あれが何であるのか」
 するとアフロディーテは露骨に眉をひそめて、返事をしたくなさそうな顔をする。
「……何故、私が」
「関係……いや、知っていそうだと思ったからだ」
 迂闊にアフロディーテをトロイアの関係者と言うのは憚られた。何の証拠もないのだ。
 彼は少々苦し紛れの説明をする。
「あの光は人の形を取っていた。聖衣が何かに取り憑かれていたり良くないことの予兆を示しているのなら、問題を片づけないとならない」
 聖戦のとき水瓶座の聖衣を弟子の氷河も纏った。その関係で弟子が魔に魅入られるような事態は避けたい。
 そういうとアフロディーテは苦笑いをしてカミュについてこいと言った。

「せっかくだから酒でも飲もう」
 相手の真意は分からなかったが、カミュは言われるままアフロディーテの後を付いてゆく。
 静かな夜は続いていた。
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