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 実力の差が大きすぎる黄金聖闘士を相手にしては、肝心の服装の機能性は分からないままになってしまう。
 ということなのか、処女宮の入り口には白銀聖闘士達が待ち構えていた。
 ただし、彼女たちが巫女服のため、ダンテ、アルゴル、アステリオンの三名も聖衣をまとってはいない。

「ジュネ。突破するよ!」
 シャイナの掛け声にジュネは「はい!!」と、威勢よく答える。

 そして十数秒後、今度はアルゴルの絶叫が周辺に轟いたのである。

「あっ!」
「うわっ。すまない!! わざとではない」
 通り抜けようとしたジュネを捕らえるべくアルゴルは手を伸ばしたのだが、何を思ったのか彼が掴んだのは彼女の上着の裾だった。
 ところが服は簡単に彼女から離れたのである。
 一瞬、何が起こったのかアルゴルには見当がつかなかった。薄着になった彼女の白い胸元にピンクゴールドの首飾りがキラキラと輝く。
 あまり見慣れていない女性聖闘士は、とても可憐だった。
 そして上着を取られたジュネを見て、彼は自分がとんでもないことをしたのだと気がつく。

 ジュネは服を取り返すか否か、アルゴルとの距離を測っていた。これは足止めのための手段だと思ったからである。
 しかし、他の二人の様子が何かおかしい。
「お前! いくらなんでも、その足止め方法は酷すぎるぞ」
 ダンテもまた非難めいた言葉を口にする。
 アステリオンはというと、硬直しているアルゴルから上着を取ると、すぐにジュネに渡した。
「あいつも結構ショックを受けているから、今回は不問にしてくれ……」
「……分かりました」
 彼女は首をかしげながらも上着を着ると、そのまま処女宮へと向かう。
 魔鈴とシャイナは既にそちらへ向かっていた。

「ダンテ。あまりアルゴルを責めるな」
 アステリオンが困惑したように二人の間に入る。
「それよりも、今のことを黄金聖闘士達が気がつかないでいてくれると思うか?」
 事実だけをいえば、白銀聖闘士が女性の青銅聖闘士の服を奪ったのである。
 ──それは無理。
 二人の表情は、そう答えていた。

 一方、三人の女性聖闘士達の方はというと……。
「ジュネ。紐の結び方が緩すぎるんじゃないか?」
 そういってシャイナはジュネの服装を点検する。
「そうかもしれません。 服をつかまれたら、すぐに体勢を建て直すのには便利だと思ったのですが……」
 彼女たちの巫女服は、その運動能力を妨げないように作られている。

 上着が簡単に脱げるのも、それを優先したが故の仕様だったのだ。
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