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 7番目の黄金宮を守護する者は、変な条件を出してきた。

「わしは一度しか攻撃できないが、紫龍なら足止めは可能じゃ」
 そういって童虎は弟子に一振りの剣を渡す。
 彼の若き弟子は、困惑しながらもそれを受け取った。
「老師。このようなことをして良いのですか?」
 生真面目な弟子としては、師匠の判断は何かズルイように思えた。
 しかし、童虎はあっけらかんと答える。
「女の聖闘士達は武器を持った者たちから女神や他の神殿の巫女を守ることもあろう。そのときに服が足手まといになっては意味がない」
 この話について、魔鈴とシャイナに拒否権は無い。
「まぁ、戦闘状態を続けたときの動きを知る目安にはなるだろう」
「そうだな」
 手合わせの時間は一人5分。 
 彼女たちもまた紫龍を攻撃しても良いという条件なので、稽古というにはどこか緊迫した空気が漂う。

「あの……、私も……」
 ジュネは最初から自分が除外されていることに不服を唱える。
 しかし、彼女の場合は童虎が相手をするという。
「紫龍におぬしを攻撃することは出来ん」
「何故です!」
「おぬしと紫龍では人間関係の距離が近すぎるんじゃ。あれは身内と認めたものを攻撃出来るほど、割り切りのいい人間ではない」
「でも、それなら魔鈴さんは星矢の師匠ですよ」
「相手が白銀聖闘士なら紫龍が怪我をさせたところで文句は言わん」

 童虎は楽しそうに笑う。

 この二人の会話に魔鈴とシャイナは『確かに、その通りだよ……』という顔をした。
 むしろ老師の秘蔵っ子と手合わせが出来るのである。実力の確認が出来るのは結構嬉しい。
「では、お願いします」
 紫龍は剣を構える。
 童虎から『相手を侵入者として攻撃しろ』と言われているが、どうにもやりづらい。
 そんな彼の様子に、最初に相手をする魔鈴が一言告げた。
「本気で頼むよ。ここで服の機能を見誤った場合、老師のお嬢さんを守り損ねる事態になるかもしれないからね」

 その一言で紫龍も覚悟を決める。

 この世に邪悪が蔓延れば、自分は再び戦場に立つ。このとき春麗を彼女らに託す事態も発生するだろう。
 ならば彼女たちの実力を知っておくことは重要である。

「始め!」
 童虎の掛け声とともに、天秤宮に二つの小宇宙がぶつかりあったのだった。
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