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その日の五老峰は朝から雨が降っていたということで、童虎は春麗を聖域へと連れて行った。

最近、聖域では女官たちが女性聖闘士の為に任務用の衣装を作っていたので、生地の端ぎれがたっぷりとある。
それを若い娘たちが小物などを作っているという話をしたら、春麗が興味を示したのだ。

実際に女性聖闘士は訓練の一環でキトンなどを身につけているのだが、その服の動きが彼女たちの行動を邪魔すると判明すれば、改良またはあっさりと廃棄される。
何度も補修をしていると、糸や当て布が重さを持ち始めるというのが理由だった。
しかしそういう服をあっさりと捨ててはもったいないので、だいたいは色々な小物の制作に使われるのだった。

春麗は愛用の裁縫道具を抱えて、エスメラルダとユリティースの居る家へと駆け込む。
久しぶりの再会に彼女らは喜び、さっそく裁縫教室が始まった。
童虎は夕方迎えに来るといって、親友のいる教皇の間へと向かう。

彼女らは近況報告などをしながら、夕方までお喋りと裁縫を楽しんだ。

夕方、五老峰では一人で留守番をしていた紫龍が掃除道具を片づける。
静かな一日なので最初は本などを読んでいたが、段々とその静けさに耐えられず家の掃除をしまくってしまった。
(老師が一緒なのだから、心配することは無い……)
しかし、それが分かっていても落ち着かない。
理由は分かっている。
春麗がここに居ないということに不安を感じているのだ。

ため息をつきそうになったとき、外で春麗の声が聞こえてきた。
二人が戻ってきたのだ。
紫龍は急いで出迎えたが、彼女の様子に言葉を失った。
春麗も彼の様子に表情が戸惑い気味になる。
「紫龍……。おかしい? 私が作ったんだけど」

彼女はいつもの三つ編みから編み込み系へと髪型を変え、その美しい黒髪には布で作られた桃色の花飾りを挿していたのだ。

「なんじゃ、見とれたか?」

童虎に言われて紫龍は我に返ったあと、「似合うよ」と答えた。
その言葉に春麗は嬉しそうに笑ったが、その笑顔にまた紫龍は眩しさを感じたのだった。
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