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三人は警戒しながら、三番目の黄金宮に入る。
「よく来たな」
彼女たちを待っていたサガは私服だった。
「ここはチェックポイントだ。勝負は行わない」
その言葉にジュネはホッとした表情を見せるが、魔鈴とシャイナは疑わしそうに彼を見る。
「それじゃ、通り抜けさせてもらうよ」
シャイナが横切ろうとするが、彼は部屋に入れといった。
「いくつかの確認を行う」
彼の指し示す部屋を覗いてみると、エスメラルダとユリティース、そして数名の女官たちが化粧道具を持って彼女たちが来るのを待っていたのだった。

「みなさんが急ぐあまり髪飾りなどの付け方が甘いかも知れないということで、お待ちしていました」
同じ部屋に三人とも椅子に座らされて、各々髪を梳かされる。
「聖闘士様、失礼いたします」
別の女官たちが手早く服のほつれなども直すということで、魔鈴たちは身動きがとれなかった。
「これはいったい何なんだ……」
シャイナが自分の髪をとかすユリティースに尋ねる。
すると彼女は器用にシャイナの髪を纏めながら答えた。
「女官たちの訓練だそうです。有事に女神様や重要な人たちを外に逃がすには、素早い作業を必要とすると射手座様は仰いました」
戦況の如何によっては、女性聖闘士が巫女などのふりをして時間を稼がなくてはならない。
「それはユリティースやエスメラルダちゃんのことか?」
シャイナから少し離れた席では、女官がジュネの長い髪を綺麗に梳かしていた。
エスメラルダはジュネの髪飾りを持ちながら、その様子を見ている。
「……私はオルフェが逃げろというのなら、どんな手段を使っても敵から逃れてみせます」
しかし、聖域に敵対し乗り込んできた者がユリティースのような美女を見逃すとは思えない。
それはオルフェ自身にもよく分かっているはずである。
愚問過ぎたなと、シャイナは反省した。
「変なことを聞いたね。悪かった」
「いいえ。ところで口紅の色はどうしますか?」
その問いに驚いて、シャイナは振り向こうとした。
しかし、上手く振り向けず、ユリティースによって再び前を向かされる。
「口紅?」
「化粧を完了させないと、この双児宮から出られませんよ」
この作業を入れてチェック終了ということらしい。

その頃、サガの方はというと彼女たちのいる部屋になんとなく入れず、別の部屋にいた。
(アイオロスは何を考えているんだ……)
今回の試験で黄金聖闘士は攻撃する側とチェックポイント兼回復役に分かれたのだが、その方法がくじ引き。
小さな妹分の為にも女性聖闘士から敵意を持たれたくない彼としては、ものすごい緊張を伴うやり方だった。
そんなことを思い返していると、突如、男の声が聞こえてきた。彼は慌てて部屋に向かう。
「どうした!」
そこにはカノンが驚いたように立っている。
「サガ! お前よりによって略奪婚を決意したのか!!」
弟の暴言に彼がキレるのは早かった。

ただし、エスメラルダの前だったので、制裁は隠れて行われた。

「まぁ、お前にそんな甲斐性があるわけがないよなぁ」
女性聖闘士たちが女官たちの手により化粧をされていく様子を見ながら、実弟は減らず口をたたく。
サガの表情が少々険しくなった。
するとエスメラルダが困ったようにカノンに言う。
「ダメです。ジュネさんは瞬さんのお嫁さんなんです。取らないでください」
その精一杯の抗議に、カノンは「大丈夫、大丈夫」と笑う。サガも苦笑いするしかない。

ただ……。

「ジュネのダメージが大きいな」
シャイナの言葉に魔鈴は頷く。
ジュネはエスメラルダの言葉に、顔を耳まで赤くして動揺している。
そして嬉しいやら不安やら真剣な顔をしなければと百面相で忙しかった。
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