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「仕方ないだろ。アンドロメダのネビュラチェーンはどんな空間でも越える可能性があるのでは、うっかりすると勝負の邪魔をしかねないからな」
黒幕の言い分に、状況の分からない瞬はジュネの方を見る。
恋人の様子にジュネは自分たちが何故、このような格好をしているのか説明し始めた。

最初は女官服についての説明だったが、黄金聖闘士との勝負になると瞬の顔が険しくなる。
アフロディーテとの勝負に至っては、真っ青になっていた。
「ジュネさんに何てことをやらせるんですか!」
一歩間違えれば、彼女はブラッディローズの餌食になっていたのかもしれないのだ。
何よりも瞬にとってアフロディーテは、いろいろな意味で警戒すべき人物である。
しかし、アイオロスはおかしそうに笑うだけ。ますます瞬の目はつり上がった。
「まあまあ、落ち着け」
「落ち着けません!」
「これは、一種の試練なんだ」
「何がですか!」
「これから先、カメレオン座が薔薇に対して恐怖心を持たせないためには必要なんだ」
この説明に瞬は驚く。
「似たようなシチュエーション、似たような花に関わる度にカメレオン座が苦しむのであれば、それは弱点になり彼女にとって命取りになる。荒療治だが彼女の聖闘士としての誇りに賭けさせてもらった」
そこまで言われると、瞬としては文句は言えない。
彼女は逃げずに、自らの恐怖心と戦って勝ったのだから……。

「わかりました。でも、こんな不意打ちはこれっきりにしてください」
そう言って瞬は、アンドロメダ座のパンドラボックスを背負い、ジュネの手を引いて教皇の間を出てゆく。
彼女は三人の方を振り返ったが、黒幕が行っていいというジェスチャーをしたので、そのまま瞬と一緒に教皇の間から出ていった。
思わず可愛らしい恋人たちを見送ったあと、アイオロスがポツリとつぶやく。
「あの調子じゃ、隠し部屋を壊したみたいだな」
「隠し部屋?」
シャイナが何のことかと尋ねる。
「教皇の間までやってきた不届き者を閉じ込める為にあると言われている部屋だよ。小宇宙の遮断は言うに及ばず、けっこう頑丈な部屋だからアンドロメダを放り込んでおいたのだが、あとで教皇やサガに怒られるなぁ」
よりにもそんな部屋にアンドロメダ座を軟禁すれば、反撃されるのは目に見えている。
星矢たち神聖衣を得た青銅聖闘士たちは、その潜在能力は瞬間的ならば黄金聖闘士たちを超えるのだ。
隠し部屋の破壊は成るべくしてなったと言えよう。

しかし、アイオロスは特に困ったような素振りを見せてはいない。
あくまで楽しそうだった。
「ところで、さっきの話は本当ですか?」
「何が?」
「ジュネのことです」
双魚宮へ続く階段を下りながら、シャイナがアイオロスに訪ねる。
アイオロスは遠くにある黄金宮を見ながら答えた。
「本当と言えば本当。それに、あの場で他の理由だとアンドロメダ座はこっちを殺そうとしかねないからなぁ」
「つまり他にも理由が?」
「女官たちから服についての依頼を受けたのも本当。君らの実力を見たかったのも本当。黄金聖闘士たちの様子を見たかったのも本当。13年も不在だと、いろいろと知りたがるものなんだよ」

それが理由かと、シャイナと魔鈴は気がつく。
再びこの黄金聖闘士に振り回されそうだ。
そう彼女たちは思ったのだった。
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