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「お前たち、何を血なまぐさい話をしている」
 部屋の入り口から聞こえてきた声に、彼らは顔を向ける。
 そこには教皇シオンが立っていた。
「何じゃ、おぬしは教皇の間にいるのではなかったのか?」
 童虎の言葉に教皇服姿の彼は平然と答える。
「今回の黒幕はアイオロスだ。私があの場にいる必要はない」
 黒幕という言葉にサガが眉をひそめた。

「──なるほど。外の奴らが小賢しい真似を……」
 オルフェから話の内容を聞いたシオンは腕を組む。いくら相手は聖域の協力者だとはいえ、看過することは出来ない内容である。
「なるべく早く善処すべきかと」
 サガの言葉にシオンは頷く。
「やはりこれは、私が携帯電話というものを持たねばならぬか」
 その呟きに、他の者たちが「えっ?」という顔をした。

「携帯電話……ですか?」
 オルフェも意外な言葉の登場に目を丸くする。
 するとシオンは平然と答えた。
「そうだ。女神からもミホとエリイの身辺には気を配ってくれと言われている。だから、たまに文通はしているのだが、何しろ時間が掛かるのだ」
 彼女たちが日本にいるときはグラード財団の方で何とかするとは思うので、この場合は聖域側の方で何か察知したら沙織に連絡をしてくれと言うことではないかと聞いている方は理解したのだが……。
 シオンが直接、文通という手段を使ったのは荒技としか言いようがない。
「……シオン様。携帯電話は小宇宙による通信と違って、偽装が簡単です。あれは契約書類上の所有者については証明可能ですが、実際に使用している人間の証明は、相手に対する信用が基本形です」
 オルフェの意見にシオンは頷くが、童虎たちは何か別世界の話を聞いているような気がしていた。
「それに手紙の持つ良さは捨てがたい……」
 この呟きに、「どんな返事を書いているのか」彼らは非常に不安になった。

 そして次の瞬間、部屋に一人の少年が飛び込んでくる。

「美穂ちゃんからの手紙って何だ!」
 人馬宮から白羊宮へ猛スピードで駆け下りてきた星矢が、シオンの話を耳にしたらしい。
 大事な幼なじみの名前が聞こえてきたのだから、気にするなと言う方が無理。
 これにより、白羊宮は一気に騒々しくなった。

「文通か……」
 そんな部屋の騒ぎをよそに、サガは妹分とどう交流回数を増やすべきか真剣に思案し始める。
 これにはカノンも呆れかえっていた。
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