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「何をやっているんだ? おまえは……」
獅子宮にやってくるなり、アイオロスは溜め息をついた。
「な、何のことだよ。兄さん」
あまりの対応にアイオリアは狼狽える。
そんな弟を見ながら、アイオロスはにやりと笑った。
「疲労困憊している想い人が十二宮の階段を下りてきたんだ。送ろうという気にはならなかったのか?」
兄の言葉に彼はムッとする。
そのような事を言われなくても、魔鈴には声をかけた。
しかし、体よく断られたのである。
でも、後から来た兄にそのことをいちいち説明する義理はない。
弟の不機嫌な様子にアイオロスも何かを察したのか、急に話題を変える。
「そういえば、アンドロメダ(座)はカメレオン(座)と手をつないで下りたそうだが、ここでもそうだったか?」
「……たぶん……」
いつ上にいたのか分からないアンドロメダ座の聖闘士が、自分の姉弟子と仲良さげに手をつないでやってきたときには、さすがに面食らった。
微笑ましいと思いつつも、心のどこかで羨ましいような気がした。
だが、それは表に出さないでおく。
「なるほど、アンドロメダは嫌がらせに、全部の宮を嫁さんと手をつないで下りるつもりだな」
「はぁ?」
「こっちの話だ」

瞬のしたことは、この聖域において伝説級の自己主張である。
これで聖域中の男どもがカメレオン座に横恋慕しようものなら、誰もそいつに味方などしないだろう。
(その点、アイオリアはまだまだ甘いな)
唯一の救いは、魔鈴の方でも憎からず想ってくれていそうなところだろうか。
あの赤い花がそれだけの意味を持っていてくれればの話ではあるが……。

「……おまえ、頑張らないと一生独身だぞ」
兄の情け容赦ない言葉に、アイオリアは表情を強ばらせたのだった。
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