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「カメレオン座、先に進むつもりか」
 水瓶座の黄金聖闘士、カミュの言葉にジュネは驚く。
「えっ?」
「双魚宮へ向かいたくはないというなら、ここから戻れ。あとは私が教皇とアイオロスに言っておく」
 意外な言葉に、彼女は戸惑う。
 何故、黄金聖闘士がそのようなことを言うのだろうかと……。
 自分とアフロディーテの確執は、聖域にとって無かったことにしたいはずではないのか。
「──私は進みます。ここで下がることは、私にとって全てのことから逃げることなんです」
 普通ならば黄金聖闘士は雲の上の存在である。世が世ならば一生会わずに済む相手であろう。
 しかし、縁なく会うことが無かったということと、逃げ回って会わずにいたということは結果が同じでも性質がまるっきり違う。
 そしてダイダロスの弟子として、後者は絶対に選びたくはなかった。

「ならば、私の一撃を乗り越えろ」

 カミュは赤いバラを手に持つ。
「……」
 今までの黄金聖闘士達は、バラだけは使わなかった。
 その意味が今、ジュネには分かったような気がした。
(怖い……)
 脳裏に浮かんだのはアンドロメダ島で行われた粛清。
 あの時のバラの花は、怖さと美しさを兼ね備えていた。

「行くぞ」

 ジュネは頷く。
 ここで逃げ出したら、聖域そのものからも逃げ出したくなる。
 だが、意地でもそんな無様な真似をしたくはなかった。
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