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ロドリオ村から少し離れたところに温泉は湧き出ていた。
なぜ温泉施設かあるのか?
一説によると聖闘士の一人が大地を割ったときに吹き出したらしい。
ところが沐浴施設という説明ではあったが、どちらかというと中身は日本の温泉施設に近いものがある。
これは女神アテナが日本で暮らしている期間が長いので、聖域の方でも女神に喜んでもらおうと日本を感じさせる施設を新しく作ったらしい。
ただ、何となく多国籍感がするので、目的不明の部屋もあったりする。
そんな場所で三名の女性聖闘士たちがとある打ち合わせをしていた。
「その攻撃許可って……、本気ですか!」
ジュネは話の内容に唖然としていた。
その反応に二人の白銀聖闘士は苦笑いをしている。
「仮面の掟を使わなくても正当防衛にするとまで言われているから、一般人だろうがなんだろうが叩きのめせってことだろう」
三人が話しているのは温泉に近づいた男への対処方。
少女たちの入浴中に男が温泉に近づいたら、問答無用で捕らえろと言われていた。
実際、女性の聖闘士は高貴な女性の警護ににつく場合など、仮面の掟を持ち出して不埒な男を処分することが多い。無慈悲な対応であっても掟なので、彼女たちが良心の呵責を感じる必要がないのだ。
「まぁ、水浴びをする乙女を覗き見た男には漏れなく悲劇のプレゼント、というのは昔からのお約束だ。それに動けなくしておけと言われただけだし、あとはサガかオルフェが対応するだろう」
シャイナの言葉にジュネは眉をひそめた。
魔鈴は窓の外を見ていた。
(そっちの方がヤバイ気がする……)
そう思いつつ、ジュネは頷くしかなかった。
なぜ温泉施設かあるのか?
一説によると聖闘士の一人が大地を割ったときに吹き出したらしい。
ところが沐浴施設という説明ではあったが、どちらかというと中身は日本の温泉施設に近いものがある。
これは女神アテナが日本で暮らしている期間が長いので、聖域の方でも女神に喜んでもらおうと日本を感じさせる施設を新しく作ったらしい。
ただ、何となく多国籍感がするので、目的不明の部屋もあったりする。
そんな場所で三名の女性聖闘士たちがとある打ち合わせをしていた。
「その攻撃許可って……、本気ですか!」
ジュネは話の内容に唖然としていた。
その反応に二人の白銀聖闘士は苦笑いをしている。
「仮面の掟を使わなくても正当防衛にするとまで言われているから、一般人だろうがなんだろうが叩きのめせってことだろう」
三人が話しているのは温泉に近づいた男への対処方。
少女たちの入浴中に男が温泉に近づいたら、問答無用で捕らえろと言われていた。
実際、女性の聖闘士は高貴な女性の警護ににつく場合など、仮面の掟を持ち出して不埒な男を処分することが多い。無慈悲な対応であっても掟なので、彼女たちが良心の呵責を感じる必要がないのだ。
「まぁ、水浴びをする乙女を覗き見た男には漏れなく悲劇のプレゼント、というのは昔からのお約束だ。それに動けなくしておけと言われただけだし、あとはサガかオルフェが対応するだろう」
シャイナの言葉にジュネは眉をひそめた。
魔鈴は窓の外を見ていた。
(そっちの方がヤバイ気がする……)
そう思いつつ、ジュネは頷くしかなかった。
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「そんな事になっておったとは……」
二日酔いの一歩手前のような不快感を抱えながら、シオンと童虎はオルフェの報告を聞いていた。
白羊宮の一室のテーブルの上には二枚の紙。夜間に行われた戦歴が記録されている。
後の資料になるだろうと、彼は瞬に記録係をさせていたのだ。
「それで春麗たちはどうしたんじゃ?」
「夜が明けてから女性陣は全員、沐浴をさせるためにロドリオ村の方にある温泉へ移動させました。魔気と神気が混雑する空間に一晩中いたのですから、身体を清めて休ませなくてはなりません。これは魔鈴、シャイナ、ジュネの三名に同行してもらいました」
三名の女性聖闘士を付ける。
これについてオルフェは、「一応警戒しないと、逆に禍々しきものが彼女たちに引き寄せられ、昼間でも現れる可能性も出てくる」と説明した。
この報告に二人は頷く。
「それで他の聖闘士達の方は?」
「黄金聖闘士たちは自由行動ですが、青銅聖闘士たちは魔物退治に協力してもらいます。今の彼らならほとんど反則技のように向こうが近づくでしょう」
長年、追い続けているけど姿を見せない邪悪なものたち。
それらを誘き寄せるための格好の囮が出来たのだ。利用しない手はない。
聖域は合理性を追求したのである。
ちなみにカノンとアイアコスは、さっさと帰ったということだった。
二日酔いの一歩手前のような不快感を抱えながら、シオンと童虎はオルフェの報告を聞いていた。
白羊宮の一室のテーブルの上には二枚の紙。夜間に行われた戦歴が記録されている。
後の資料になるだろうと、彼は瞬に記録係をさせていたのだ。
「それで春麗たちはどうしたんじゃ?」
「夜が明けてから女性陣は全員、沐浴をさせるためにロドリオ村の方にある温泉へ移動させました。魔気と神気が混雑する空間に一晩中いたのですから、身体を清めて休ませなくてはなりません。これは魔鈴、シャイナ、ジュネの三名に同行してもらいました」
三名の女性聖闘士を付ける。
これについてオルフェは、「一応警戒しないと、逆に禍々しきものが彼女たちに引き寄せられ、昼間でも現れる可能性も出てくる」と説明した。
この報告に二人は頷く。
「それで他の聖闘士達の方は?」
「黄金聖闘士たちは自由行動ですが、青銅聖闘士たちは魔物退治に協力してもらいます。今の彼らならほとんど反則技のように向こうが近づくでしょう」
長年、追い続けているけど姿を見せない邪悪なものたち。
それらを誘き寄せるための格好の囮が出来たのだ。利用しない手はない。
聖域は合理性を追求したのである。
ちなみにカノンとアイアコスは、さっさと帰ったということだった。
「お願いです。妹を連れて行かないでください」
少しおびえたようなエスメラルダの言葉に、ジュネもニンフたちも動きが止まった。
他の闘士たちも興味深げに様子を見ている。
「……妹?」
「ようやっと仲良くなれたんです。お願いします」
祈るように両手を合わせて、彼女はニンフたちに話しかける。
ジュネはニンフたちが戸惑っているのが分かった。
彼女はエスメラルダに話を合わせる。
「貴女たちの誘いは有り難いが、私は姉様の傍を離れるわけにはいかない」
彼女たちはジュネから手を離す。
そして何度もエスメラルダとジュネを交互に見ていいた。
「あれは何ですか」
瞬がユリティースに尋ねる。
目の前で行われていることの意味がわからないのだ。
「ジュネ!」
エスメラルダが彼女の腕を両手で抱えるようにすがり付く。
その姿は大切な姉妹を奪われまいとしているかのようだった。
「お願いします。妹を……連れて行かないでください」
ジュネはそのままニンフたちを見た。
「今回、エスメラルダさんが堂々と妹宣言をしましたから、向こうはジュネさんとエスメラルダさんが同じ一族の出と思うでしょう。そして彼女たちはエスメラルダさんとニュクス様が言葉を交わしているところを見ています」
瞬はあっという表情をした。
「……それか!」
さすがにニンフたちも、夜の女神の関係者を泣かせたくはないだろう。
それにエスメラルダは誤解されやすい言い方をしてはいるが、嘘は言ってはいない。
二人の恋人が実の兄弟なのだから、遠くない未来、二人は義理の姉妹になるのだ。
「何よりもニンフたちよりエスメラルダさんの方が儚げです。そんなひとから守護役の妹を奪おうなど、誰も味方しません」
困ったように笑うユリティースの後ろで、紫龍たちが納得をしていた。
「聖闘士様……」
当のニンフたちも、これ以上いてはエスメラルダを泣かせかねないと判断したらしく、「では、いつか遊びに来てくださいね」と言って光の中に姿を消す。
この瞬間、朝日がより強い光りで世界を照らす。
そして柔らかな風が木や草を揺らしていた。
少しおびえたようなエスメラルダの言葉に、ジュネもニンフたちも動きが止まった。
他の闘士たちも興味深げに様子を見ている。
「……妹?」
「ようやっと仲良くなれたんです。お願いします」
祈るように両手を合わせて、彼女はニンフたちに話しかける。
ジュネはニンフたちが戸惑っているのが分かった。
彼女はエスメラルダに話を合わせる。
「貴女たちの誘いは有り難いが、私は姉様の傍を離れるわけにはいかない」
彼女たちはジュネから手を離す。
そして何度もエスメラルダとジュネを交互に見ていいた。
「あれは何ですか」
瞬がユリティースに尋ねる。
目の前で行われていることの意味がわからないのだ。
「ジュネ!」
エスメラルダが彼女の腕を両手で抱えるようにすがり付く。
その姿は大切な姉妹を奪われまいとしているかのようだった。
「お願いします。妹を……連れて行かないでください」
ジュネはそのままニンフたちを見た。
「今回、エスメラルダさんが堂々と妹宣言をしましたから、向こうはジュネさんとエスメラルダさんが同じ一族の出と思うでしょう。そして彼女たちはエスメラルダさんとニュクス様が言葉を交わしているところを見ています」
瞬はあっという表情をした。
「……それか!」
さすがにニンフたちも、夜の女神の関係者を泣かせたくはないだろう。
それにエスメラルダは誤解されやすい言い方をしてはいるが、嘘は言ってはいない。
二人の恋人が実の兄弟なのだから、遠くない未来、二人は義理の姉妹になるのだ。
「何よりもニンフたちよりエスメラルダさんの方が儚げです。そんなひとから守護役の妹を奪おうなど、誰も味方しません」
困ったように笑うユリティースの後ろで、紫龍たちが納得をしていた。
「聖闘士様……」
当のニンフたちも、これ以上いてはエスメラルダを泣かせかねないと判断したらしく、「では、いつか遊びに来てくださいね」と言って光の中に姿を消す。
この瞬間、朝日がより強い光りで世界を照らす。
そして柔らかな風が木や草を揺らしていた。
ニンフたちに囲まれて、ジュネはどう逃げようか真面目に考えた。
実力行使をすれば簡単だが、それだとニンフたちが怪我をしたり不機嫌になる可能性が高い。
そうすると後々までしこりを残すこととなる。
では、神妃からもらった指輪を見せるべきか。
これは正直言って劇薬に匹敵する。事態の展開によってはニンフたちが罰を受けかねない。
そして神妃を頼るのは危険だった。
では、説得するしかないのだが……。
良く言えば一途、悪く言えば人の話を中途半端にしか聞かないニンフたちである。
どう言ったらいいのか。ジュネは悩んでしまった。
「聖闘士様?」
ニンフたちがジュネの両腕に掴まる。
(しまった!)
このままでは逆に向こうの世界に連れて行かれるかもしれない。
しかし、振り払えばニンフたちに怪我をさせてしまう。
絶体絶命。
そこへ一人の少女が駆け寄ってきた。
実力行使をすれば簡単だが、それだとニンフたちが怪我をしたり不機嫌になる可能性が高い。
そうすると後々までしこりを残すこととなる。
では、神妃からもらった指輪を見せるべきか。
これは正直言って劇薬に匹敵する。事態の展開によってはニンフたちが罰を受けかねない。
そして神妃を頼るのは危険だった。
では、説得するしかないのだが……。
良く言えば一途、悪く言えば人の話を中途半端にしか聞かないニンフたちである。
どう言ったらいいのか。ジュネは悩んでしまった。
「聖闘士様?」
ニンフたちがジュネの両腕に掴まる。
(しまった!)
このままでは逆に向こうの世界に連れて行かれるかもしれない。
しかし、振り払えばニンフたちに怪我をさせてしまう。
絶体絶命。
そこへ一人の少女が駆け寄ってきた。