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「星矢、貴方にアイギスを貸します。レヴィアタン戦のとき使いなさい」
そう沙織に言われたとき、星矢は何事かと首を傾げた。
「アイギス……?」
「私の盾です。サガと対決したとき使ったのを忘れましたか?」
このとき、同じ部屋にいたサガが半分泣きそうな表情になる。
しかし沙織は気にせず言葉を続ける。
「アイギスには退魔の力があります。レヴィアタンとの闘いにきっと役に立ちます」
ただ、問題がないわけではない。
「そのかわり、黄金聖闘士達はアイギスが力を発動したときには後退しなさい。場合によっては巻き込まれたらまずは助かりません」
このため戦闘経験が少々未熟な星矢達を前面に出す事は出来ない。
レヴィアタンに集中するあまり、アイギスの発動に気付かない恐れがあるからだ。
しかも、能力が発動する条件というのがけっこう厳しい。
それはアイギスの能力をアテにする限り、けっして発動しないと言うことである。
「そんな危ないものを使えって言うのか!」
「こちらが捨て身で対応しなくては、レヴィアタンに傷をつけることなど無理です」
何しろ相手は武器の通用しない最強の魔獣なのだ。
「……わかった」
星矢は頷く。
とにかく倒せる可能性が高くなる方法は、なんでもやってみるつもりだ。
そして沙織は部屋にいる聖闘士たちに命じた。
中途半端な時間に聖域に来てはならないと、聖域の外にいる者たちに伝えなさいと……。
戦闘が開始されれば巻き込まれた者に説明する暇などないのである。
そう沙織に言われたとき、星矢は何事かと首を傾げた。
「アイギス……?」
「私の盾です。サガと対決したとき使ったのを忘れましたか?」
このとき、同じ部屋にいたサガが半分泣きそうな表情になる。
しかし沙織は気にせず言葉を続ける。
「アイギスには退魔の力があります。レヴィアタンとの闘いにきっと役に立ちます」
ただ、問題がないわけではない。
「そのかわり、黄金聖闘士達はアイギスが力を発動したときには後退しなさい。場合によっては巻き込まれたらまずは助かりません」
このため戦闘経験が少々未熟な星矢達を前面に出す事は出来ない。
レヴィアタンに集中するあまり、アイギスの発動に気付かない恐れがあるからだ。
しかも、能力が発動する条件というのがけっこう厳しい。
それはアイギスの能力をアテにする限り、けっして発動しないと言うことである。
「そんな危ないものを使えって言うのか!」
「こちらが捨て身で対応しなくては、レヴィアタンに傷をつけることなど無理です」
何しろ相手は武器の通用しない最強の魔獣なのだ。
「……わかった」
星矢は頷く。
とにかく倒せる可能性が高くなる方法は、なんでもやってみるつもりだ。
そして沙織は部屋にいる聖闘士たちに命じた。
中途半端な時間に聖域に来てはならないと、聖域の外にいる者たちに伝えなさいと……。
戦闘が開始されれば巻き込まれた者に説明する暇などないのである。
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イオたち海将軍がやって来たとき、聖域には少々混乱状態だった。
しかし、そんな中で一部の聖闘士達が外で焚き出しをしていた。
「あれっ、イオ!」
そこにいた少年を彼は知っていた。
「アンドロメダ!」
アンドロメダ座の聖闘士・瞬は食べ物を籠に入れているところだった。
傍には仮面をつけている女の聖闘士がいる。
最初は彼女がカメレオン座の聖闘士かと思っていたら、どうやら違うらしい。
「それじゃ、魔鈴さん。ジュネさんに届けますね」
「頼んだよ」
彼はイオの横を通りすぎようとした。
イオはとっさに瞬の腕をつかむ。
「アンドロメダ、カメレオン座に会わせてくれないか」
レヴィアタンが生贄に選んだ少女。会って話がしてみたい。
ところが瞬は何となくイヤそうな表情になる。
「駄目か?」
「いいえ、駄目じゃないのですが……」
このとき瞬はジュネの居場所をイオに告げた。
なんとそこは牢屋だという。
「何故、そんなところに!」
「仕方ないんですよ。ジュネさんを隔離させないと、危なっかしい侠気に富んだ者たちが彼女を聖域から連れ出そうとするのです」
そのようなことを言われ続ければ、彼女だって心が揺れ動くかもしれない。
それを何よりも恐れているジュネ自身が、自ら牢屋に入って鍵をかけてしまったのだ。
これは相手が聖闘士なら牢屋の鉄柵ごとき障害にはならないが、雑兵には有効である。
「僕だってジュネさんを逃がせるものなら逃がしたい。そのために僕が女装して生贄役をしろというのなら、喜んでやるよ。でも、レヴィアタンにそれは通用しない」
化け物は既にジュネの腕に生贄の印を残している。そこまで知能がある存在に、小手先の騙しは通用しない。
「イオは何か知っている? 何でレヴィアタンはアンドロメダ姫を目の敵にしているのか」
このときイオは自分が大失敗をしてしまったことに気がつく。
どんな事をしてもアンドロメダ座の聖闘士にだけは近づいてはならなかったのだ。
イオの視線が泳いだことで、瞬はさらに彼を問い詰めた。
しかし、そんな中で一部の聖闘士達が外で焚き出しをしていた。
「あれっ、イオ!」
そこにいた少年を彼は知っていた。
「アンドロメダ!」
アンドロメダ座の聖闘士・瞬は食べ物を籠に入れているところだった。
傍には仮面をつけている女の聖闘士がいる。
最初は彼女がカメレオン座の聖闘士かと思っていたら、どうやら違うらしい。
「それじゃ、魔鈴さん。ジュネさんに届けますね」
「頼んだよ」
彼はイオの横を通りすぎようとした。
イオはとっさに瞬の腕をつかむ。
「アンドロメダ、カメレオン座に会わせてくれないか」
レヴィアタンが生贄に選んだ少女。会って話がしてみたい。
ところが瞬は何となくイヤそうな表情になる。
「駄目か?」
「いいえ、駄目じゃないのですが……」
このとき瞬はジュネの居場所をイオに告げた。
なんとそこは牢屋だという。
「何故、そんなところに!」
「仕方ないんですよ。ジュネさんを隔離させないと、危なっかしい侠気に富んだ者たちが彼女を聖域から連れ出そうとするのです」
そのようなことを言われ続ければ、彼女だって心が揺れ動くかもしれない。
それを何よりも恐れているジュネ自身が、自ら牢屋に入って鍵をかけてしまったのだ。
これは相手が聖闘士なら牢屋の鉄柵ごとき障害にはならないが、雑兵には有効である。
「僕だってジュネさんを逃がせるものなら逃がしたい。そのために僕が女装して生贄役をしろというのなら、喜んでやるよ。でも、レヴィアタンにそれは通用しない」
化け物は既にジュネの腕に生贄の印を残している。そこまで知能がある存在に、小手先の騙しは通用しない。
「イオは何か知っている? 何でレヴィアタンはアンドロメダ姫を目の敵にしているのか」
このときイオは自分が大失敗をしてしまったことに気がつく。
どんな事をしてもアンドロメダ座の聖闘士にだけは近づいてはならなかったのだ。
イオの視線が泳いだことで、瞬はさらに彼を問い詰めた。
怪物レヴィアタンを海にある特殊な檻に封じる。
これを成し遂げたのは海将軍なのだが、その人数も方法も何故か今の海将軍たちには伝わってはいない。
どうやら女神アテナや他の神々との諍いの中で、詳しい情報が消滅してしまったらしい。
ただ、何となく「こうだったのではないか」という話が口伝で伝わっていた。
「捕まえ続ける」
カノンからその話を聞いて、ダイダロスは素早く紙に記録した。
弟子のジュネがレヴィアタンに狙われているのである。
彼は不死身の魔獣退治に関わらせてほしいと黄金聖闘士たちに頼み込んだのだ。
そして黄金聖闘士たちもまた彼の知恵と知識を必要としていた。
レヴィアタンはそれほどまでに特殊だったのである。
「水系の存在は姿を変える。だが、捕まえ続けることが出来れば、少なくとも逃げられることはない」
ギリシャ神話でも有名な女神テティスとペーレウスの根比べをダイダロスは思い出した。
「しかし、それだと逆に怪物の方が突っ込んでこないか?」
アイオリアの言葉にカノンは苦笑いをした。
「レヴィアタンの動きが読めればカメレオン座を物理的に逃がすことは出来る」
しかし、逃げられたら被害は他に飛び火する。
どうしてもレヴィアタンをその場に止まらせないとならないのだ。
「老師、天秤座の武器の使用許可をお願いします」
サガは童虎に頼むが、童虎は腕を組んで考え込んでいた。
「老師……?」
「一つ気になるのじゃが、レヴィアタンにはあらゆる武器が通じないのは本当か?」
もしそれが本当なら、天秤座の武器でどれほどの効果があるのか。
使ったのは良いけど、たいした威力ではなかったというのなら、最初から武器を使うことは考えない方がいい。
変な絶望を生み出さずに済む。
するとダイダロスが
「水をただ剣で切るのは難しいですが、闘気を込めた一振りならば水の原子を砕く事が出来るはずです」
と言った。
これには童虎も頷く。
「そうじゃな。天秤座の武器は小宇宙を高める媒体じゃ。不死身の存在といえども、そやつに一撃を与えるほど小宇宙を高めればいい話じゃった」
童虎はにこやかに笑う。
「しかし、天秤座の武器は十二じゃ。どう配分したものか」
沙織は聖域から離れないと言っている。
レヴィアタンと言えども避難などしたら、他の女神達は自分を信頼しなくなる。
聖闘士たちを頼って良いのか迷う。
だからここにいるといわれると、黄金聖闘士たちも納得するしかなかった。
これを成し遂げたのは海将軍なのだが、その人数も方法も何故か今の海将軍たちには伝わってはいない。
どうやら女神アテナや他の神々との諍いの中で、詳しい情報が消滅してしまったらしい。
ただ、何となく「こうだったのではないか」という話が口伝で伝わっていた。
「捕まえ続ける」
カノンからその話を聞いて、ダイダロスは素早く紙に記録した。
弟子のジュネがレヴィアタンに狙われているのである。
彼は不死身の魔獣退治に関わらせてほしいと黄金聖闘士たちに頼み込んだのだ。
そして黄金聖闘士たちもまた彼の知恵と知識を必要としていた。
レヴィアタンはそれほどまでに特殊だったのである。
「水系の存在は姿を変える。だが、捕まえ続けることが出来れば、少なくとも逃げられることはない」
ギリシャ神話でも有名な女神テティスとペーレウスの根比べをダイダロスは思い出した。
「しかし、それだと逆に怪物の方が突っ込んでこないか?」
アイオリアの言葉にカノンは苦笑いをした。
「レヴィアタンの動きが読めればカメレオン座を物理的に逃がすことは出来る」
しかし、逃げられたら被害は他に飛び火する。
どうしてもレヴィアタンをその場に止まらせないとならないのだ。
「老師、天秤座の武器の使用許可をお願いします」
サガは童虎に頼むが、童虎は腕を組んで考え込んでいた。
「老師……?」
「一つ気になるのじゃが、レヴィアタンにはあらゆる武器が通じないのは本当か?」
もしそれが本当なら、天秤座の武器でどれほどの効果があるのか。
使ったのは良いけど、たいした威力ではなかったというのなら、最初から武器を使うことは考えない方がいい。
変な絶望を生み出さずに済む。
するとダイダロスが
「水をただ剣で切るのは難しいですが、闘気を込めた一振りならば水の原子を砕く事が出来るはずです」
と言った。
これには童虎も頷く。
「そうじゃな。天秤座の武器は小宇宙を高める媒体じゃ。不死身の存在といえども、そやつに一撃を与えるほど小宇宙を高めればいい話じゃった」
童虎はにこやかに笑う。
「しかし、天秤座の武器は十二じゃ。どう配分したものか」
沙織は聖域から離れないと言っている。
レヴィアタンと言えども避難などしたら、他の女神達は自分を信頼しなくなる。
聖闘士たちを頼って良いのか迷う。
だからここにいるといわれると、黄金聖闘士たちも納得するしかなかった。
――レヴィアタンが現れたとき、オイラ、動けなかった。
貴鬼は白羊宮の入り口で、膝を抱えて座り込んでいた。
思い出されるのは、ジュネとレヴィアタンとの会話。
彼女の機転で自分たちは助かった。
相手は巨大な魔獣。しかも圧倒的な力を持っている。
それが分かったからこそ、動けなかった。
「あの人たちだって、槍を投げて闘ったのに……」
敵わないと分かっていても、雑兵たちは一生懸命闘った。
自分は何時からこんなにも臆病になってしまったのだろうか。
あの時自分が何か行動を起こしていたら……。
不意に目の前に人が立っていた。
いきなりすぎて貴鬼は驚く。
「わぁぁぁぁ!」
後ずさりして相手を見ると、その人物は聖闘士ではなかった。
「ク……クラーケンの海将軍」
「……。久しぶりだな」
そこにいたのは、再会を喜ぶ気にはなりにくい相手だった。
「どうして、ここに!」
「……お前、レヴィアタンを見たか?」
どうも相手は会話を成立させる気はないらしい。貴鬼は素直に頷く。
するとクラーケンの海将軍は片膝をついて、視線の位置を貴鬼に合わせる。
「それは好都合だ。ならば気配も分かるだろう」
この問いにも貴鬼は頷く。あの圧倒的な力と存在感は、簡単に忘れられるものではない。
「ならば、明日のレヴィアタン戦では、お前は後方支援に廻ってもらう」
「えっ?」
「女神は聖域から離れないと言っているし、レヴィアタンが今回見逃した若い娘たちの匂いを覚えているとやっかいだ。これは推測だが、レヴィアタンには仲間がいる」
この言葉に貴鬼は驚く。あんな化け物に仲間がいるなど考えたこともなかった。
「な、仲間だって!」
「伝承だけだから、確定ではない。だが、万が一にも出し抜かれて女神や娘たちの前に現れたらこちらの負けだ」
「……」
「彼女たちにくっついて、レヴィアタンやそれに似た気配を探るのに集中してほしい。これはレヴィアタンを見たことのあるお前にしか出来ない」
「オ、オイラが???」
「やってくるかどうかも分からない存在に注意を払うのは、精神力を酷使する。だが、あの時俺から聖衣を守り通したお前の根性なら出来ると思っている」
敵方だった者から自分という存在が認められる。
貴鬼は頷いていた。
「ならば詳しいことは他の聖闘士達が説明をしに来るだろう」
海将軍は立ち上がると、白羊宮を離れる。
貴鬼は立ち上がると彼の背中に声をかけた。
「オイラ、絶対に守って見せる!」
すると海将軍は少しだけ振り返ったように見えた。だが、立ち止まらずに去っていってしまう。
貴鬼は海のある方に視線を向けた。
「レヴィアタンの好きにはさせない」
その瞳は闘い抜くという決意に満ちていた。
貴鬼は白羊宮の入り口で、膝を抱えて座り込んでいた。
思い出されるのは、ジュネとレヴィアタンとの会話。
彼女の機転で自分たちは助かった。
相手は巨大な魔獣。しかも圧倒的な力を持っている。
それが分かったからこそ、動けなかった。
「あの人たちだって、槍を投げて闘ったのに……」
敵わないと分かっていても、雑兵たちは一生懸命闘った。
自分は何時からこんなにも臆病になってしまったのだろうか。
あの時自分が何か行動を起こしていたら……。
不意に目の前に人が立っていた。
いきなりすぎて貴鬼は驚く。
「わぁぁぁぁ!」
後ずさりして相手を見ると、その人物は聖闘士ではなかった。
「ク……クラーケンの海将軍」
「……。久しぶりだな」
そこにいたのは、再会を喜ぶ気にはなりにくい相手だった。
「どうして、ここに!」
「……お前、レヴィアタンを見たか?」
どうも相手は会話を成立させる気はないらしい。貴鬼は素直に頷く。
するとクラーケンの海将軍は片膝をついて、視線の位置を貴鬼に合わせる。
「それは好都合だ。ならば気配も分かるだろう」
この問いにも貴鬼は頷く。あの圧倒的な力と存在感は、簡単に忘れられるものではない。
「ならば、明日のレヴィアタン戦では、お前は後方支援に廻ってもらう」
「えっ?」
「女神は聖域から離れないと言っているし、レヴィアタンが今回見逃した若い娘たちの匂いを覚えているとやっかいだ。これは推測だが、レヴィアタンには仲間がいる」
この言葉に貴鬼は驚く。あんな化け物に仲間がいるなど考えたこともなかった。
「な、仲間だって!」
「伝承だけだから、確定ではない。だが、万が一にも出し抜かれて女神や娘たちの前に現れたらこちらの負けだ」
「……」
「彼女たちにくっついて、レヴィアタンやそれに似た気配を探るのに集中してほしい。これはレヴィアタンを見たことのあるお前にしか出来ない」
「オ、オイラが???」
「やってくるかどうかも分からない存在に注意を払うのは、精神力を酷使する。だが、あの時俺から聖衣を守り通したお前の根性なら出来ると思っている」
敵方だった者から自分という存在が認められる。
貴鬼は頷いていた。
「ならば詳しいことは他の聖闘士達が説明をしに来るだろう」
海将軍は立ち上がると、白羊宮を離れる。
貴鬼は立ち上がると彼の背中に声をかけた。
「オイラ、絶対に守って見せる!」
すると海将軍は少しだけ振り返ったように見えた。だが、立ち止まらずに去っていってしまう。
貴鬼は海のある方に視線を向けた。
「レヴィアタンの好きにはさせない」
その瞳は闘い抜くという決意に満ちていた。