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「アテナ様、今日はいろいろあって興奮状態なので、ベッドを一つにして良いですか?」

ユリティースに言われて、沙織は頷く。
この家は本来、エスメラルダとジュネが使っているのだが、ジュネが任務などで不在のときにはユリティースや女官、たまに魔鈴やシャイナが泊まることがあるので、寝室にベッドが二つあるのだ。
これはサガの心配性を女性たちがこれまた心配して、取られた措置だったりする。
このお兄さん、妹分に近づく男は自分が認めた者以外は葬っても良いと思っている節があるから。

ただでさえ「そういうこと」では頭のいい人なので、その心配は必要ないという事を態度で示しているのだ。
エスメラルダはこの裏事情を全然知らないのだが。

そんなこんなで、ベッドを一つにして寝るというのはユリティースとエスメラルダは慣れているようで、テキパキと支度をする。
「誰が真ん中になりますか?」
そう尋ねられても、沙織は返事が出来ない。
このような体験は初めてだからだ。
「では、適当に場所を決めましょう」
ベッドの上で三人は車座になって座る。

最初の30分くらいは雑談をしていたのだが、やはりレヴィアタン戦の疲労があったらしい。
いつの間にかユリティースを真ん中にして、三人は眠ってしまう。

この夜、沙織は夢を見ずにぐっすりと眠る事が出来た。
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何でも、セインティア翔の話では、女神エリスが登場するとのこと。
どんな感じに描かれるのですかねぇ。
対レヴィアタン戦のため、十二宮は獅子座より上は夜になっても双魚宮のバラの影響下にある。
そして双児宮と巨蟹宮は侵入者対策により、うっかりすると冥界へ墜ちる可能性があった。
となると、牡羊座と牡牛座の黄金聖闘士達以外は自分の宮へ戻れない。

ということで白羊宮と金牛宮は、同胞のための臨時の宿泊施設になる。
大きな闘いの後というのは場が混乱しており、侵入者を呼び込みやすくなるので完全な戦闘終了とは言えないからだ。

実際に、双児宮から奇妙な声が聞こえている。
「サガ、何をやった」
デスマスクは彼が元凶だと決めつけていた。
言われた方は不愉快そうに眉を顰めるが、実際に声が聞こえるのだから文句は言えない。
「……確認をしてくる」
彼はスタスタと双児宮へ向かったが、しばらくして黄金聖闘士達に彼から小宇宙を経由して連絡が来た。

――双児宮にスケルトンが現れている。ギャラクシアン・エクスプロ―ジョンで一掃しようと思うが、他のところに影響が出ると思うか?

その冷静な言い方に、他の黄金聖闘士達の方が顔色を変える。
細工だらけの双児宮でそんな大技をやったら、冥界との繋がりが強くなっている巨蟹宮も無事では済まない。

「待て! 俺も参加する!!」
アイオロスが嬉々として向かったので、他の黄金聖闘士達も被害を最小に抑えるために現場に行くことにした。
やはり大きな闘いの後というのは、何かしら別の騒ぎを引き寄せるらしい。

ちなみに童虎はは五老峰へさっさと戻り、シオンも一緒に向かった。
紫龍と春麗を安心させるためである。


そして沙織はユリティースとエスメラルダが住んでいる家に泊めて貰うことになった。
建前は女神がさっさと日本へ戻るというのは、逃亡の様で避けたいということらしいが、実際は映画の大まかなネタを二人に相談したいためだった。



PCの調子がオカシイ!
これは一大事ということで、前々から推測されていたPCのマザーボードのボタン電池を交換しました。

結果、無事に起動。今に至ります。
BIOS設定が久しぶりすぎて、迷いました。
(たいして弄っていませんが……)

自作PCなので大事に使いたいです。
神話の時代、アンドロメダ姫は海の魔獣の生贄となり、その危難をペガサスにまたがった勇者ペルセウスが救う。
メデューサの首を魔獣の前に掲げて……。

これは表舞台で普及している物語。

☆☆☆

星矢がネビュラチェーンを掴んだ瞬間、女神メデューサの力がアンドロメダ座の聖衣にも流れ込む。
ジュネは朦朧としていたので、衝撃ともいうべきその力をまともに喰らってしまう。
(瞬……)
彼女の意識が真っ暗になった。

☆☆☆

(小さな子供が泣いている……)
黒い服に黒い髪。身体のほとんどが闇に溶け込んでいるように見えないこともない。
ジュネは暗闇の中にポツンといる子供に近づく。
すると子供は彼女にしがみついた。
「ようやっと会えた!」
顔は暗くて分からないが、たぶん男の子のような気がする。
彼女がしゃがむと、子供はジュネの首に両腕を回す。
「こうしていると、あったかいね」
子供の声に何やら安心したかのような響きがあった。
だが、状況が不明ないので、ジュネは何と答えるべきか悩んでしまう。
(誰か、家族か知り合いは?)
そう思ってキョロキョロすると、男の子は彼女の髪を引っ張る。
「僕のお日様だ!」

このときジュネは、子供が小さいころに瞬に似ていることに驚いてしまった。

☆☆☆

「あっ……」
「ジュネさん! 気がついた?」
不安げに自分のことを見ているのは、愛しい恋人。
ジュネは自分がベッドに寝かされていることに気がつく。
「瞬……、ここは?」
「社殿の一室。ジュネさん、戦闘の最後の方で気を失ったんだよ」
ベヒモス化したレヴィアタンの精神攻撃で、かなり参っているところに、女神メデューサの力を不意打ちのように喰らったのだ。
星矢も予想外の事態にジュネが目覚めるまで付き添うと言ったのだが、それは瞬が嫌がった。
「レヴィアタンは海将軍たちが確実に封印すると言っていたから、もう大丈夫だよ」
再戦があるとしたら、普通なら1000年単位。何処かのバカが力を与えたとしても劣化タイプだろうということだった。
海で再び封印をするのは、海ならば普通の人間が近づけない場所が多いからである。
地上の場合は人間が未踏でも、邪神の力を得た存在に気付かれては面倒なので、封印場所には向かない。
ちなみに冥界は管轄違いの不死の魔獣の封印には無理があるということで、三巨頭たちも海側に任せることに依存はなかった。

「……迷惑をかけちゃったね」
哀しげな彼女の様子に、瞬は心臓がドキドキしてきた。
「迷惑なんかじゃないよ」
もしかして、もうちょっと近づいても許されるんじゃないか。そんな考えが頭の中をグルグルと廻っている。
「ジュネさん……」
彼女の頬に手を添えたとき……。

「瞬! 食事を持ってきたぞ。少しは食べろよ」
と、星矢が元気よく部屋に入ってきたのである。
瞬は慌てて彼女から手を離し、闖入者の方を見た。
星矢もまた、もしかして拙いタイミングだった? という顔で瞬を見る。
そしてジュネは自分の頬に手を添えられた意味に気がついて、顔を赤くしたまま寝返って二人に背を向けたのだった。
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